- トルコで物件を探す際の注意点を知りたい人
- トルコに長期滞在する予定なので、イカメットの情報を知りたい人
トルコでの長期滞在をする際に必ず申請が必要となるイカメットですが、イカメット申請の際には必ず居住実態のある住所を用意する必要があります。
イカメットの申請作業はどれもハードルが高い作業ばかりですが、この住所の用意(=物件の契約)はイカメット取得者が最初に立ち向かう難関であり、かなり苦労します。さらに、2024年現在イカメット申請に要求される居住条件が多く、それに適した物件を探すのが非常に大変です。
僕も事前にある程度の準備をしていたとはいえ、この物件探しにはかなり苦闘しました。
この記事では、イスタンブールでイカメット新規申請を経験した筆者が、イカメット申請者がトルコで物件探しを始める前に知っておくべきポイント・注意点について解説していきます。
この記事を読んで、トルコでの物件探しに重要なポイントを抑えていきましょう。
【前提】イカメット申請者は住所(=物件)が必要
イカメットとは?
イカメットとは、トルコの入国規定で定められている日数を超えてトルコに滞在する場合に必要となる、滞在許可証のことです。
日本人の場合、180日間のうち合計90日間を超えてトルコに滞在する場合は、イカメットの取得が必要となります。
イカメットを申請する際には、申請者本人の居住実態があるトルコ国内の住所(=物件)が必要となります。
以前はホテルやゲストハウスなどの宿泊施設でも申請ができるという情報もありましたが、2024年現在「トルコ不動産証書(TAPU)のコピー」「自然災害保険加入証明書(DASK)のコピー」などの書類が必要になっており、賃貸物件を契約するのが現実的です。
賃貸物件の契約〜イカメット申請までには、
- 賃貸物件探し
- 内見
- 賃貸物件の契約
- 公証役場(Noter)での賃貸契約の認証
の4ステップを完了する必要があり、最低でも3週間程度の時間がかかります。
Airbnbで見つけた物件も可能、ただし注意点あり
Airbnbとかでイカメット申請はできますか?
物件の持ち主(=オーナー)の許可が取れた場合は、Airbnbで見つけた物件でもイカメット申請は可能だと考えられます。
ただし、Airbnbに掲載されている物件を住居としてイカメット申請する場合でも、物件の持ち主(=オーナー)と正式に賃貸契約を結ぶ必要があり、定められた家賃を大家に支払う必要があります。
「Airbnbで良物件見つけたし、支払いも完了したからOK!」というわけではないのです。
加えて、「トルコ不動産証書(TAPU)のコピー」「自然災害保険加入証明書(DASK)のコピー」などの書類も、通常の賃貸物件契約と同様に用意する必要があります。(オーナーに聞くと用意してくれます。)
つまり、「Airbnbに掲載されている物件を、別手続きで正式に賃貸契約を結ぶ」というイメージになります。
Airbnbで物件を探す場合は、以下の点に注意する必要があります。
- Airbnbのホストからは同意が得られているか
- ホストは物件の持ち主(=オーナー)か(又貸ししていないか)
- 物件は住居としてトルコ政府に登録されているか
トルコのAirbnbでは、ホストが物件のオーナーに内緒で又貸し(こっそりAirbnbで物件を掲載している)ケースも多いため、又貸しされている物件ではないか確認を取る必要があります。(後に書類関係や権利関係で必ずトラブルになります。)
筆者は、Airbnbに掲載されている物件は費用面でのコストパフォーマンスや、オーナーとの交渉面で課題もあるため、賃貸物件を契約することをおすすめします。
【2024年】トルコの物件探し前に知っておくべき5つのポイント。
2024年現在、イカメット申請用にトルコの物件を探す場合、移民局側から要求される条件が多く、それに適した物件を探すのが非常に大変です。
物件の契約後、イカメット申請時に住居に関して問題があった場合、イカメット申請は全てやり直しとなってしまい、申請費用や物件の契約費用は返金されません。
少しでもリスクを減らすために、物件を探す前に必ず知っておくべき5つのポイントを解説します。
1.インフレ × 高需要で家賃は高い
トルコリラのレートが近年で急激に暴落していることに起因し、トルコでは急激なインフレが進んでいます。家賃は特に高騰しており、以前と比較すると肌感で4倍以上家賃が上昇しています。
さらに、2022年のロシアのウクライナ侵攻以降、トルコには両国からの避難者が多数移住しており、その影響から賃貸物件が急激に不足・高騰しています。
2024年現在、イスタンブールの賃貸物件の平均家賃は$490(₺15,770)となっており、実際にイスタンブール中心地で家具付き/₺10,000以下の物件を探すのは難しい状況です。
以前は家賃が安いと言われていたトルコですが、現在ではそこまで安くない点に注意してください。
【参考】:Cost of Living in Istanbul
2.25%ルールが適用されない地域で物件を探す
25%ルールとは、イカメットの取得にあたり外国人の居住が制限されている地域のことで、この地域に居住している場合は、そもそもイカメットが申請できません。
何も知らずに該当地域で賃貸契約をしてしまうと、イカメットを申請する際や、申請後の審査期間になってから、住所が理由でイカメットが取得できない事になり、全ての手続きがやり直しになってしまいます。(この場合、もちろんここまでに投じた費用や物件の契約費用などは返金されません。)
- 街の中心地や観光地から近く、利便性が高い
- 交通の便が良い(駅近、バス停が近いなど)
などの地域には既に外国人が一定以上住み着いており、さらに「家賃が安い」「外国人でも借りれる」「家具付き物件」「ある程度綺麗」という条件を求めると、地域内での外国人の居住率が25%を超えている場合も多いです。
25%ルールに関する詳しい詳細や、具体的に制限されている地区については、以下の記事で解説していますので、あわせてお読みください。
3.諸条件を交渉する必要がある
外国人には確実な支払い能力の保証がないため、
- 賃貸物件自体の家賃が高くなる
- デポジット(敷金)が高くなる
- 数ヶ月分の家賃を前払いする必要がある
など、契約時に諸条件が求められる場合が多いです。
筆者も、賃貸契約時はトルコ人の保証人が必要でした。
またトルコの賃貸契約は1年間の更新契約であることが多く、イカメットが承認されなかった場合、物件を自由に解約できないとリスクが大きいです。
少しでも少ないリスクで賃貸物件を契約するためにも、家探しの時点で事前に状況を伝え、交渉を進めておくようにしましょう。
筆者の場合は、あらかじめ「イカメット取得できたら長期で住む、だからまずは3ヶ月で契約させてくれ」と事前に伝えていました。
4.公証役場(Noter)での賃貸契約の認証が必要
2022年2月以降に追加された条件で、賃貸契約後に公証役場(Noter)で賃貸契約書を認証する必要があります。
この認証作業には賃貸物件のオーナーと公証役場(Noter)へ行く必要があるため、家探しの時点で「イカメット申請のために公証役場(Noter)へ行く必要がある」旨を伝えておきましょう。
5.イカメット申請時に住居関係の書類が必要
2022年半ば以降に追加された条件で、公証役場(Noter)での賃貸契約の認証に加えて、イカメット申請時に以下2つの書類を提出する必要があります。
- トルコ不動産証書(TAPU)のコピー
- 自然災害保険加入証明書(DASK)のコピー
いずれも原本である必要はありませんが、書類の準備に時間がかかる場合や、オーナー側で何らかの事情で該当書類を用意できないなどのトラブルに遭わないためにも、家探しの時点で上記2書類が必要という旨を伝えておきましょう。
【まとめ】賃貸物件探しはイカメット取得者の最初の難関
トルコの物件探し注意点まとめ
・インフレ × 高需要で家賃が高騰している
・25%ルールにより、イカメット申請できる地域が少ない
・リスクを抑えるために契約時に諸条件の交渉がマスト
僕も事前にある程度の準備をしていたとはいえ、物件探しにはかなり時間と労力がかかりました。
イカメット申請ですらしんどい作業なのに、申請前の準備段階でこんなにも苦労するのかと凹みます。
トルコへ渡航後にいきなり物件探しで疲弊しないためにも、当記事で紹介したポイントを抑えておき、
- 家賃相場はどのくらいか
- イカメットが申請できないエリアはどこか
- どのようなスケジュールで物件探しを進めるのか
という点を事前に準備しておくと、現地でよりスムーズにイカメット申請が進みます。
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