【イカメット】新規申請に落ちた話。却下された理由・その後できることは？

トルコでの長期滞在をする際に必ず申請が必要となるイカメットですが、2022年以降イカメットの新規取得が非常に難しくなっています。

筆者は2022年12月にイカメットを新規申請しましたが、イカメットを取得することができませんでした。

この記事では、2022年にイスタンブールでイカメット新規申請をした筆者が、イカメット申請に落ちた話と、その後の対応策を、筆者の体験ベースで解説していきます。

この記事を読んで、事前にイカメット新規申請の直近の傾向とリスクを把握しておきましょう。

本記事の掲載情報・料金について

・本記事にて掲載されている情報は、取材時（2023年01月現在）の情報となります。
イカメット取得に関する情報は非常に流動的で、イカメット申請の難易度や情報等は随時変更される可能性がありますので、ご注意ください。

【前提】2022年以降はイカメットの新規取得が難しい

イカメットとは？

イカメットとは、トルコの入国規定で定められている日数を超えてトルコに滞在する場合に必要となる、滞在許可証のことです。
日本人の場合、180日間のうち合計90日間を超えてトルコに滞在する場合は、イカメットの取得が必要となります。

イカメットの最新情報・申請に必要な書類・申請の流れなどは、下記の記事で徹底的に解説しています。

そんなイカメットですが、2023年1月現在、イカメットの新規申請はかなり難しい状況です。

• 2022年2月以降、トルコ政府により移民政策が変更・強化された。
• 2022年のロシアのウクライナ侵攻により、両国からの避難者がトルコへ多数移住しており、移民局は人道的配慮から二国籍者への滞在許可を優先している。
• 移住者増加により賃貸物件が急激に不足・高騰しており、物件を確保する難易度が高くなっている。
• 2022年7月より施行された25％ルールにより、イカメットを取得できる地域が限られている。

などの理由により、イカメットを取得するまでの準備のハードルも高いですし、イカメットの申請自体もなかなか通過しない状況です。

以前と比べると状況はかなり変化ししており、過去の情報や方法は全く通じません。

更新者でも取得できない可能性があるなど難易度が非常に高く、万が一新規申請が却下された場合、支払った諸費用や税金などは返金されないため、かなりリスクが伴うため注意が必要です。

ちなみに、筆者が却下された理由の結論を言ってしまうと、「観光に必要となる飛行機やバスのチケット、宿泊先の予約などの資料が添付されておらず、旅程が不明確だから」という理由です。（結構無理筋です。）

イカメットが落ちるまで、却下された理由が分かるまでの流れを以下にまとめましたので、ぜひお読みください。

イカメットが落ちるまでの経過状況

事前情報は楽観的。面接も問題なく通過した

代行業者を複数周った時点での事前情報では、イカメット取得の難易度が高いことは把握していたものの、

いやー日本人だしいけるっしょ。

的な意見も多く、イカメット取得経験がある人たちからは比較的に楽観的な意見も多かったため、難易度が高いとはいえ「なんだかんだ取れるんじゃ？」というモチベーションでした。

実際、移民局での様子も、

Hey Japanese! Welcome!

的なノリの感じだったので、完全に油断していました。

移民局の雰囲気は相変わらず重かったとはいえ、移民局での面接もサクサクと進み、制度上「滞在目的申告書」の提出が求められるなどの変更点はあったものの、却下されることなくトントン拍子で進んだため、「思いのほかイカメット取得できるのではないか」と考えていました。

11日後に却下の通知。理由は？

イカメット申請後、毎日のようにイカメット申請サイト「e-ikamet」で結果を確認していたのですが、申請から11日後に結果が出ました。

申請結果はNegative（=却下）。

この画面で赤い色の表示が出た時点で、残念ながらイカメット申請は却下となります。

イカメットの却下理由には、以下が表示されていました。

Your application has been concluded negatively.
You can apply to the Provincial Directorate of Migration Management for the notification.

（あなたの申請内容は却下されました。
地方移住管理局へ申請し、正式な通知を受けることができます。）

One or more of the conditions sought in Article 32 are not met or no longer apply.

（理由：第32条で求められている申請条件の1つ、またはそれ以上を満たしていないか、適用されません。）

つまり、「イカメット申請条件を満たしていないため却下」ということです。

イカメットに落ちたら？できることは2つ

イカメットに落ちた場合、できることを解説します。

移民局へ問い合わせ

まずは、イカメットの却下理由について詳細な理由を確認したい場合は、移民局で直接理由を確認することができます。

筆者はあまりにもあっさりした結果に不満だったので、移民局へ即日詳細な理由を聞きに行ってきました。

移民局に到着してから、理由を確認するまでの流れは以下の通りです。

本記事の掲載情報・料金について

・本記事にて掲載されている情報は、取材時（2023年01月現在）の情報となります。
・筆者はイスタンブールのFatih／Kumkapıの移民局で面接を行ったため、同局へ再訪問しました。都市や移民局、当日の混雑状況等により、確認までの流れは異なる場合があります。

▼筆者が却下された理由の詳細

「トルコでの短期滞在にあたり、観光に必要となる飛行機やバスのチケット、宿泊先の予約などの資料が添付されておらず、旅程が不明確なため」。

再申請をしたい場合は、6ヶ月後に再度申請ができる。

ただし、トルコでは2020年1月、イカメットに関する法令から「観光目的」を削除する旨が公表されており、表向きでは観光目的での申請は認められないと発信・アナウンスされています。

（参考）：短期滞在許可証（イカメット）：観光目的の削除

表向きでは観光目的の申請を認めていないため、筆者も面接時や滞在目的申告書では「観光目的」とは一切伝えていませんが、観光旅程が不明確なため却下されたことになります。

代理人を立て異議申し立てができる

明らかに却下理由に異議がある場合など、移民局に対して抗議をしたい場合には、代理人を立て異議を申し立てることができます。

代理人とは、多くの場合は移民専門弁護士で、イカメット代行業者を通じて申請している場合にはイカメット代行業者側の専属弁護士が対応してくれる場合があります。

もしイカメット代行業者を通じて申請している場合は、プロの専門家の方が対応してくれるので、頼れるのであれば頼ったほうが良いでしょう。

ただし、「ビザなしでの滞在期間を超えてイカメットの結果待ちをし、却下された」という場合は注意が必要です。ビザなしでの滞在期間を超えて結果待ちのためにトルコでオーバーステイをしている場合、イカメットの却下通知を受けてから10日以内に出国する必要があります。

（参考）：BARIGLOBAL – When Do I Have to Leave Turkey?

異議申し立てを行った場合でも、この10日間以内の出国は免除されず、この時点でオーバーステイをしている場合、「弁護士との相談」「弁護士による異議申し立て」「申し立て結果の通知」までで10日間を超えてしまう可能性があるため、非常にリスクの高い選択となる可能性があります。

筆者の場合は、ビザなしでの滞在期間の残りが少なく、弁護士の手配をするために追加で契約が必要であったため、スケジュールと費用の面からこれ以上の申請を断念しました。

【まとめ】イカメット新規申請は非常に高リスクな状況に

• 2022年2月以降、トルコ政府により移民政策が変更・強化された。
• 2022年のロシアのウクライナ侵攻により、両国からの避難者がトルコへ多数移住しており、移民局は人道的配慮から二国籍者への滞在許可を優先している。
• 移住者増加により賃貸物件が急激に不足・高騰しており、物件を確保する難易度が高くなっている。
• 2022年7月より施行された25％ルールにより、イカメットを取得できる地域が限られている。

などの理由により、2022年以降はイカメットを取得するまでのハードルが高くなっており、イカメットを新規申請しても却下となる可能性が高いです。

万が一新規申請が却下された場合、支払った諸費用や税金などは返金されないため、かなりリスクが伴うため注意が必要です。

イカメットを新規申請する場合は、直近の傾向とリスクを十分理解したうえで、イカメットの専門家であるイカメット代行業者と相談しながら進めるようにしましょう。